始まり
創業者の Tomi Kuntze と Hannu Hukkanen は、1997年から自動車業界向けのLED照明ソリューションを設計してきました。2002年までに、世界の自動車用LEDライトのほぼ半数が彼らの設計から生まれていました。しかし、彼らはLEDの未来が自動車照明だけにとどまらないことを見据え、各々4,000ユーロを準備して LEDiL Oy を設立し、照明業界に革命を起こすために起業しました。
副業を経て「FLARE」誕生へ
事業初期の資金確保のため、Tomi と Hannu は多様な副業を行い、ポルトガルでプラスチック金型を製造し、フィンランドの顧客に提供しました。他にもデータ通信向けの光学設計や、全国の Stockmann 百貨店のクリスマスウィンドウ照明などを手掛けました。また、独自ブランド「Jewel」のLEDランプを発表し、フィンランドでイノベーション賞を受賞。フィンランド企業向けにトレーニングコースも提供しました。
さらに、Nokia やフランスの Sagem などの大手通信企業もLED照明設計力を求めて訪れましたが、彼らは本来の目的を忘れず、2003年には緊急車両用レンズ「FLARE」を発売。これは大ヒット商品となり、現在も生産が続いています。
「APOLLO」の登場
事業は順調に拡大し、2005年にニューヨークで開催された『Lightfair International』に初出展。世界初の製品ファミリー「APOLLO」を発表しました。この製品は名前を変えて「EMILY」ファミリーとして現在も販売されております。
需要急増に対応する大規模生産
競争力を維持するため、2005年に中国での生産を開始。2006年には需要増加に伴い生産規模を拡大しました。同年、フランクフルトで開催された重要な国際展示会『Light and Building』にも OSRAM と共同出展しました。
チーム編成の年
売上が急増し、新たな市場機会が次々と現れました。Tomi は全てを一人で管理できないと判断し、営業サポートを採用。経験豊富な営業ディレクターの加入により、中国市場への本格進出が実現しました。設計部門では、Hannu が光学設計の補佐として、2003年からさまざまな役職を務めていた Olli Laakkio をチームに迎えました。
国際企業からグローバル企業へ
この年、Arrow やオンライン販売大手 Digi-Key と主要な販売契約を締結。初めて真のグローバル展開が可能になりました。
CEO就任と成長加速
急成長を続けていたLEDiLは、さらなる飛躍のため、経験豊富な企業経営者を必要としていました。2010年11月、Rami Huovinen がパートナー兼CEOとして参加。創業者の2人は革新と成長、そして企業価値向上に専念できる体制が整いました。
受賞の年
努力は報われ、LEDiLは国内で7つの賞を受賞。その中には Ernst and Young Entrepreneur of the Year(貿易部門) や、フィンランドの「Company of the Year」賞も含まれていました。
品質の守護者
革新的なデザインと製品ラインナップで市場をリードしたLEDiLは、知的財産保護のため本格的な特許取得活動を開始。また、品質の証としてISO 9001認証を取得しました。
あらゆる用途への製品提供
製品数は3,000種類に達し、リニア光学アレイ「FLORENCE」ファミリーを発表。ISO 14001認証も取得し、品質への取り組みを強化しました。
Ratosによる新たな投資
スウェーデンの大手企業グループ Ratos が主要株主となり、知的資本と資金力を獲得。さらに、フィンランド大統領 Sauli Niinistö より国際化賞を授与されました。 .
アメリカ進出
米国市場の可能性を見据え、イリノイ州シカモアに LEDiL Inc. を設立。
新社屋へ移転
需要増加と顧客ニーズの変化に対応するため本社を拡張。旧Nokiaキャンパス隣接地に移り、最新技術と設備を備えた新拠点で事業を強化しました。
物流拠点強化とヒューマンセントリック照明
香港の物流会社 Delivered Limited を買収し、アジアおよび世界市場への対応力を強化。さらに低グレア・人間中心設計の光学「DAISY」ファミリーを発売しました。
中国での拠点拡大
中国市場へのコミットメントの一環として、深圳に新オフィスを開設。
困難から新たな革新へ
世界的に厳しい年であったにもかかわらず、組織改革により顧客対応力を向上。UV-C用途向けの世界初シリコン光学製品を発表しました。
過去最高の業績
パンデミックや物流・部品不足の中、過去最高の通年業績を達成。持続可能な利益成長を実現しました。
新たな物流拠点
ポーランドのポズナンに物流拠点を開設し、納期短縮と環境負荷低減を実現。
新たな挑戦
2024年、当社は数々の重要な節目を迎えました。LEDiL は、光拡散および反射部品の分野で北欧を代表する企業 Ingemann Components を買収。この買収により、LEDiL のグローバルなネットワークと Ingemann の光出力および照明器具効率の最適化に関する専門知識を融合し、室内照明メーカー向けのワンストップソリューションを実現しました。
同年、本社をより適した拠点である Salo の IoT キャンパスへ移転する絶好のタイミングを迎えました。
将来について
LEDiL は、絶え間ない革新と卓越性の追求を通じて、LED照明の品質向上に尽力しています。私たちの最先端の光学ソリューションは、心身の健康、機能性、安全性、そして持続可能性を高め、幅広い用途で卓越した成果をもたらします。Ingemann Components の買収により、市場におけるリーダーシップをさらに強化しました。 私たちの最優先事項は、お客様やパートナーと共に「光」の共有エコシステムを築き、発展させることです。なぜなら、より良い未来は一人の力だけでは実現できないと、私たちは知っているからです。